日本が誇るトップレベルの研究者たち 世界の人々を感染症から救う

日本には数多くの優れた技術、経験があるが、感染症対策においても世界トップレベルの技術を持っていることは知っているだろうか? 数々の研究で救ってきた命は億単位に上る。そんな世界に誇れる研究者たちをここに紹介する。(取材協力:GHIT Fund)

GHIT Fund について

一つの薬を世の中に出すためには、長い月日と莫大な資金が不可欠である。今日、先進国に多い糖尿病やガンの治療薬には多額の資金が投入されているが、途上国に多い病気に対しては資金が集まりにくく、必要な薬が作られない。なぜなら、利益が見込めない製品(薬)はビジネスとして成り立たないからだ。それでいいのか?と立ち上がったのがGHIT Fund(ジーヒットファンド)だ。途上国に多いマラリア、結核、顧みられない熱帯病に対する新しい薬、ワクチン、診断薬を開発するための予算を政府、企業、財団から獲得し、世界中の研究者たちを支援するのを主な役割として活動している。

GHIT Fund CEOの強い思い

スリングスビー BTの画像

CEOのスリングスビーが「医療の仕事をしたい」と思った原点は、エジプトに住んでいた中学生のころまでさかのぼる。通学途中にあった店で、いつも水タバコを吸っている男性に出会った。男性の片脚は象のような太い脚だった。ある日、男性になぜそんなに太い脚をしているのか尋ねると、蚊に刺されたことで感染症(象皮症)にかかったという。「もっと早く治療を受けていたらこのような症状にならなかったかもしれない」と、途上国で適切な治療を、適切な時期に受けることの難しさを目の当たりにした。

「どうしたら世界の医療を良くできるのか?」その答えを模索するため、医療を多面的に俯瞰(ふかん)してみる必要があると留学を決意。日本の大学院で公衆衛生を専攻し、日米の臨床医学・医療システムの比較研究を行った。その後、米国に戻り医師の道に進む。

スリングスビーは、世界の医療を良くしたいという一貫した気持ちを持ち続け、2010年、日本の製薬会社で途上国に携わる職に就いた。そして2012年、「途上国に必要な薬開発のためのファンドを作ろう」という話の中心にスリングスビーはいた。製薬会社

小児用治療薬(住血吸虫症)の臨床試験を行うタンザニアでの写真

5社、2省庁、1財団とさまざまな立場の人たちと準備を進め、2013年4月にGHIT Fundを創設。その後、新たに民間企業2社、1財団がGHIT Fundに参画を決めた。2015年7月現在、国内外の40団体とともに、途上国向けの治療薬、ワクチン、診断薬開発を推し進めている。「今後も、日本のイノベーションで世界にもっと貢献したい。少しでも役に立ちたい」と強い思いを抱いている。

GHIT Fund CEO
スリングスビー BT

署名

いま、注意すべき感染症について

デング熱

蚊を介して感染者を増やす「デング熱」。昨年は、治療薬がないことや、いくつかの公園が封鎖されたことなどで大きな話題となった。蚊の多い時期となるこの夏も十分も注意が必要だ。どんな病気であり、どうやって予防できるのかを知り、デング熱の対策をしよう。

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